転覆に備えて万全の準備をするのが一流

海はとても気まぐれで、時に残酷な場所です。事前にしっかり天気予報をチェックし、安全を確認したとしても、不意打ちのような形で嵐や高波に襲われてしまうこともあります。残念ながら小型船舶はとても波に弱いため、そういった時は高い確率で転覆します。
船が転覆してしまった場合、自分を含む乗員の生死をわけるのは事前の準備です。海に絶対はないことを深く理解した上で、万全の対策をしておくことこそが一流の証。どれだけ自分に自信があろうとも、そこを敢えて譲って危険に備えられてこそカッコいい海オヤジと言えるのです。

最重要アイテムはライフジャケットと携帯電話

船が転覆した時にもっとも重要となるキーアイテムはライフジャケットと携帯電話です。
携帯電話で救助を求め、そして救助が到着するまでの間を生き残るためにライフジャケットが必要となるのです。転覆事故から生還した方々のほとんどはこの2つをしっかりと準備していた人です。

携帯電話とライフジャケットの正しい使い方

しかし、この2つのアイテムをただ船に積んでおけばよいというものではありません。いざという時にしっかりと使えるようにしておかなければ、積んでいたところで宝の持ち腐れとなるだけです。
携帯電話は防水パックに包んでおきましょう。これは携帯電話が浸水によって壊れる事態を防いでくれる上に、さらに首から下げるためのストラップまでついている優れものです。転覆する時に離れたところに置いたままの携帯電話を取る余裕などありませんので、船に乗っている間は常に携帯電話を首から下げておきましょう。もちろん、揺れなどによって外れてしまわないように気を付けて。
ライフジャケットは乗船する時から下船する時までずっと着ておきましょう。こちらも携帯電話と同じ理由で、転覆する時に着る余裕などないからです。
こう書くとなんだか暑苦しくて不愉快な印象を受けるかもしれませんが、現在のライフジャケットは驚くほど快適な着心地で常時着ていても不快感はありません。

あらかじめ連絡を入れておく

海に出る際には家族や関係者などに、行き先や帰る予定の時間を伝えておきましょう。
しっかりと防水パックに入れた携帯電話を用意していても、転覆した時に救助連絡ができるとは限りません。転覆した衝撃で携帯電話が壊れるかもしれませんし、あるいは自分が意識を失って喋れない可能性もあります。
そのような自分で救助の要請を出せない時、頼れるのは家族や関係者による連絡です。実際に、本人ではなく家族による連絡のおかげで救助されたというケースもたくさんあります。
伝えておきたいのは出発する港、どの辺りの沖に出るのか、そして帰ってくる予定の時間です。
予定の時間になっても帰ってこなければ家族などが心配して救助の連絡を入れてくれるでしょうし、その際に出発地点から目的の沖までのルートをたどることでよりあなたを発見しやすくなります。
小型船舶は多くの楽しみをくれますが、気まぐれな海の中に飛び出していく危険を忘れてはいけません。自分の力を過信せず、非常時でも落ち着いた態度が取れる男こそがプロフェッショナルなのです。